日銀がYCC(イールドカーブコントロール)の柔軟化を決めてから、国債の金利は上昇を始めました。2~3年前までは国債への投資と聞くと「ほぼ金利が付かない…」という認識でしたが、既述の通り政策変更があった後は、10年債で0.8%前後を推移しています。
そんな金利上昇を受けて国債の注目度は高まっていますが、国債に限らず債券は一般的に安定的な投資先という認識を持たれています。しかし、投資ですのでもちろんリスクは存在します。そこで今回のコラムでは債券投資についてのリスク、初心者の始め方などを解説して行きます。債券とは何なのか? 詳しく見て行きましょう。
債券とは? 債権の魅力とは?
債券とはお金を貸している権利になりますので、先ほど登場した10年債であれば国が債券を購入した人に対して「10年後に〇%の金利を付けて払います」と約束している物です。国債に関しては国が後ろ盾ですので、比較的安全な投資先と言えるでしょう。債券の種類は国債だけでなく社債や地方債といったものも存在します。
また、債券自体は市場で日々売買されています。債券の価格が下がると金利は上がり、反対に債券の価格が上がると金利は下がります。つまり、債券価格と金利は密接に関係しているため、市場関係者の注目度も高くなるのです。
債券の魅力は上記からも分かる通り安定性・利息収入にあると言えますが、株式投資をすでに行っている方であれば、ポートフォリオに債券を組み込むことはリスク分散にも繋がります。
他方これから投資を始めようという方にとってみれば、比較的安全性の高い投資先とも言えますので、値動きの激しいものに抵抗があるという場合にはおススメできる投資先となります。
初心者が債券投資を始めるには?
債券にも様々な種類が存在しますが、初心者の方であればまず国債を購入してみると良いでしょう。国債を購入するにあたって債券の基本的な知識を習得することにもなりますので、まずは国債からデビューし、社債などへチャレンジしてみるのがおススメです。
そして証券会社の選定も重要なファクターの一つです。近年ではネット証券を選択する方が増えてきましたが、ご自身のメインバンクと口座連携がスムーズにでき、セキュリティが高く、各種サポートも充実したネット証券を選択すると良いでしょう。2024年からは新NISAもスタートするため、そこも見越したうえでのネット証券選択が重要です。人気どころのネット証券と言えば楽天・SBIの2社が上げられます。
次に一番重要な項目となりますが、これはリスク許容度の設定です。ご自身の資産に対してどの程度のリスクまでは許容できるのか? を設定します。これは専門家に相談しても良いですが、最終的にはご自身で決めることになりますので、万一債券価格が下落した際でも何%の下落までなら許容できるかを決定しておきましょう。
また、リスク許容度を設定する上で欠かせないものに分散投資が上げられます。日本国債・アメリカ国債の2つを購入するということだけでも、日米でそれぞれリスク分散することに繋がります。これに新興国の債券を組み入れるとリスク許容度は上がりますが、リターンも増える可能性があります。このようにリスク許容度と分散投資を組み合わせることで、自身のポートフォリオを完成させていきましょう。
最後に投資は資金を投下して終わりではありません。継続的なモニタリングも重要です。毎日とは言いませんが、1カ月に一度くらいは投資した資産がどの程度上下しているのか確認し、日々の経済ニュースも出来る限りチェックすることをお勧めいたします。
新NISAをきっかけに投資を始める方は増えて行くでしょうから、まずは基本的な知識を習得した上で、何が自身に合った投資先なのかを見極めることが重要です。今回ご紹介した債権は一般的に安定性の高い投資先と言えますので、初心者の方は手を出しやすい投資です。何事もまずはスタートしてみない事には何とも言えませんので、この機会に債券投資をスタートしてみてはいかがでしょうか?
筑後地方で保険の相談なら株式会社アローズ